2014年4月24日木曜日

シラカバ樹液コーヒー

こんにちは、片山です。名寄はまだまだ雪が残っているのですが、昼間は10℃を超えるようになり、だいぶ春めいてきました!サクラはまだ先のようですが、木々は春到来に向けて、準備を進めているようです。

ということで、今回は春の予感を感じるべく、シラカバ樹液コーヒーを作ってみたので紹介します!

この季節のシラカバの幹に傷をつけると、たくさんの樹液が出てきます。皆さん、知っていましたか?私は去年初めて見て、とってもびっくりしました。しかも、この樹液はほのかに甘いんです。「樹液」[甘い」と聞いて、思い浮かんだ方もいるかもしれません、この現象を利用してサトウカエデから作られるものが「メープルシロップ」なんです。

シラカバの樹液は色々な国で昔から飲まれてきました。道北の町、美深町では4月になると「白樺樹液春まつり」が開催されているみたいです。シラカバの樹液を採ることが出来るようになることは、長かった冬が終わりを告げるサインなんですね。

私は実際に飲んだことがなかったので、名寄にいる学生さんと一緒にシラカバ樹液を採ってみました!

立派なシラカバの幹に少し傷をつけさせてもらいます。
ポタポタと樹液が出てきました!
それをジップロックの袋に集めます。
(この程度の傷では木は死なないので、ご安心ください!)

集めた樹液には木くずなどが入っているので、コーヒーフィルターで濾過しました。

見てください!ほんのりピンク色なんです!
(この写真では茶色けど、、)
スプーンひと口、飲んでみました。ほのかに甘い!!

樹液でコーヒーを入れてみました!
なんと、コーヒーに砂糖を少し入れたくらいの甘さが!!
何も知らない学生さんがこのコーヒーを飲んで、
「砂糖入ってないんですか?!」とびっくりしていました

ところで、なぜこの時期にだけこの様に樹液を採取することが出来るのでしょうか?それは「根圧(こんあつ)」が関係しています。

植物は水がないと死んでしまいます。水は根から吸収されるので、根から葉っぱまで水を運ぶ必要があります。ではどうやって水を運んでいるのでしょうか?簡単なイメージで言うと、葉っぱがストローを使って水を引っ張り上げているんです。ストローとは幹の中にある「導管」を意味します。葉っぱがあるときは、葉っぱが水を吸い上げる駆動力を持っているので、水を持ち上げることが出来るんですね。
(ちなみに、この水を引っ張り上げる駆動力のことを「水ポテンシャル」と言います。)


では、葉っぱがない場合、樹木はどうやって水を枝先まで引っ張り上げているのでしょうか?実は根っこが頑張って水を押し上げているんです。この力のことを「根圧」と言います。葉っぱがいないので根っこが頑張っているんですね。どうやって押しているかというと、根っこ部分にあるストロー(導管)内に無期塩分や糖分を運んで、(シラカバの場合)樹液を甘くします。そうすると、土壌の水は導管の中の水を薄めようとして、どんどん導管内に水が入ってきます。そうすることによって、導管にはどんどん樹液が溜まっていき、どんどん上の方に上がっていきます。だから甘い樹液を採ることが出来るんですね。

では、なぜ、そんなことを樹木は春先にしているのでしょうか?導管というのは常に水で満たされていないと水を葉っぱまで上げることが出来ません。冬の間、寒いところに生育する樹木は、導管内の樹液が凍ることにより、導管内に気泡が発生することがよくあります。春になって葉っぱが出てくるまでに、その導管内の気泡を樹液で満たしておく必要があります。そこで、春になる前に根っこが頑張って、導管内を樹液で満たし、春になる準備をしているんです。

樹木は小さな季節の変化を感知して、色々な活動を行っています。季節を感知する能力に関しては、私たちよりもよっぽどすごい能力を樹木は持っているんですね!


北海道では季節によって、色んな景色や面白い現象を見ることが出来ます。というわけで、北海道生活の2年目、北海道の季節の魅力を毎月お届けすることを目標に、今年度も頑張っていきたいと思います!


無断転載禁止の記事なのですが、春先の樹液について「メイプルシロップの話」というとても良い記事がありますので、興味のある方は検索して是非見てみてください。

2014年4月23日水曜日

天塩の特別研究員さんたち

事務担当の山崎です。
先日、当センターの研究員情報を調べていたところ、天塩研究林にはとっても可愛い特別研究員さんが勤務しているという情報を耳にしました。
写真を見せていただいたところ、噂に違わぬ可愛さでしたので、ぜひこの場でご紹介させていただきたいと思います。


ここから先は天塩の技術職員さんにバトンタッチです。
ご紹介、お願いします!


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名前:きたきつね
研究テーマ:ねずみの生態

写真のキツネはねずみを捕獲しようとしているところです。庁舎周辺にも時々顔を出しますが、林内の至るところで会うことが出来ます。人慣れしていないため、近づくと逃げてしまいますが、5月から6月にかけて遊んでいる可愛い子ぎつねを見ることも出来ます。




名前:えぞりす
研究テーマ:木の実の保存方法


写真のエゾリスは庁舎近くの樹木園に住んでおり、時々顔を合わせます。せっせと何かを運んでいるので後をつけると、大抵逃げられますが怒って威嚇してくることもあります。冬眠しないため一年中会っているのですが、な かなか仲良しにはなれません。



名前:えぞくろてん
研究テーマ:物置を利用した保存食の管理について

物置から物置へと続く小さな足跡が雪面に残されているときがあります。えさを探して移動するエゾクロテンの足跡です。小さな足、真っ白な冬毛にくりっとした 瞳と姿は非常に可愛いのですが、空腹には耐えきれず勝手に物置に干した魚を食べてしまうことがあります。一言先に言ってくれれば怒らないのに・・・ 

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以上です。可愛いですね。本当に可愛いですね(だいじなことなので2回)
天塩研究林に行けば、研究員さんたちが研究活動に勤しむ姿を目にすることができるかもしれません。

ちなみに、札幌研究棟の研究員はカラスです。数が多すぎて勤務実態を把握できません。
可愛いです・・・・・・・たぶん。