2013年9月12日木曜日

ギングチバチの生態を探る!

こんにちは、片山です。
今回は、雨龍研究林で調査をされている、九州大学4年生の米田さんについて紹介したいと思います。

ハチ少年
米田さんは、一言でいうと「ハチ少年」です!
根っからのハチ好きで、昔から、蜜を吸うハチよりも、昆虫などを食べる「狩りバチ」に心惹かれていたそうです。


そんな米田くんと「ギングチバチ」との出会いは大学に入ってからでした。
捕獲したギングチバチ。
ギングチバチとは、その名の通り、口が銀色のハチとのことです。
そのギングチバチの生態や、何よりも「カッコ良さ」に魅せられ、卒業論文のテーマとしてギングチバチを選んだようです。
(すいません、私が撮った写真では、そのカッコ良さを1ミリも伝えられませんでした・・・。)

米田さんがやっていることは、ひたすらハチ探し!
見つけたハチを追いかけて、巣を探しています。
巣はこの様な朽木、特に枝の様なわりと小さなものの中に巣を作っています。きれいな穴が開いていますね。これが巣の入り口のようです。


ギングチバチの獲物は、ハエ、ガが多く、一部の種はカメムシ等、様々な種類の昆虫を狩ります。ですが、この様な多様な餌の種類をどの様に区別して捕獲しているのか、どの様に捕獲手段を変化させるのか、その様なことは分かっていません。
そもそも、ギングチバチがどの様な場所に生息しているのかといったデータも無いようです。
というわけで、米田くんは、まずはギングチバチがどの様な場所を好んで巣にしているか、そして、巣の中にはどの様な獲物が捕獲されているのか、ということを調べているみたいです。

ですので、ギングチバチを見つける→巣をみつける→巣となっている材の特性(樹種、大きさ、腐朽度合、含水率など)を調べる→巣の中の獲物を調べる、といった作業をされているとのことでした。

残りの調査日数もわずかになってきて、納得いくだけの巣はまだ採れていないとのことです。晴れなければなかなかハチが飛ばないらしく、天気に左右されてしまうのが悩みのタネの様でした。


ところで、米田さんには特に北大教員に知り合いがいるわけではなかったのですが、6月頃に北大研究林を訪れ、ギングチバチがいるかどうかの事前調査を行っていました。
そのとき、雨龍研究林の内海准教授が、米田さんの調査の内容を聞き、研究林の案内から調査地の選定まで、お手伝いをされました。それがきっかけとなり、「教育拠点」の利用申請をされ、今回の調査に繋がっています。

この様に、北大には内海先生の様に親切で頼りになる先生がたくさんいます!北大教員と直接の知り合いでなくとも、連絡頂ければ相談に乗ることが可能です。調査・実習のフィールドとして興味のある方は、是非ご連絡ください!


内海准教授です。
突然のお願いにもかかわらず、机の状況を気にされつつ、快く撮影に応じてくれました。





最後に、米田さんに巣を見つけたときの喜びを表現して頂きました!
ハチとのさらなる出会いがあると良いですね!!




内海研HP:https://sites.google.com/site/evocomecol/
雨龍研究林:http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/~exfor/Uref/indexUr.htm

2013年9月9日月曜日

野外シンポジウム ~天塩・中川編~



みなさん、こんにちは。北大研究林北管理部の片山です。

今回は、819-23日に開催された「野外シンポジウム」についてご報告をしたいと思います。

野外シンポジウムというのは、毎年北大で行われている「シンポジウム」で、対象は全国の大学の学部生です。文系でも理系でも、1年生でも4年生でも、私立大でも国立大でも、誰でも参加できます!今年は、8大学11人の学生さんたちが参加してくれました。

野外シンポジウムでは、北大研究林でどの様な研究が行われているか、それをフィールドで見てもらい、体験もしてもらいます。そこで紹介する研究は、今、実際に行われている最前線の研究内容です。

シンポジウムは、昼間は現場に行って調査の様子を見学したり体験する「フィールドセッション」、夜には、フィールドセッションで見た研究で、実際にどの様なデータが取れて、どういう意味があるのかを、ポスター発表形式で発表を聞き、議論する「ポスターセッション」、そして、今回得た知識をもとに、参加者の方が研究テーマを考え、仮説・仮想結果・考察などを発表する「アンビシャスセッション」の三部構成です。

フィールドセッションでは、オタマジャクシを捕まえて体サイズを測ったり、


採取してきた土から根っこを分けたり、


研究用ジャングルジムに登って樹冠にある葉っぱを採取したり、


全部で9個ものフィールドセッションがありました。土の中からから地上30mまで、虫・動物・植物を舞台に様々な分野の研究紹介が行われました。

夜のポスターセッションでは、議論が盛り上がり、12時近くまで発表者に話を聞いたりしている人もいました。



アンビシャスセッションでは、全部で3チームの発表がありました。
柔軟な発想で、分野を超えた面白い発表を聞くことができました。




とても楽しい5日間でしたね!


と、ここで終わりではありません!エクスカーションがあります!(希望者のみ)。内容は、渓流を上り(下り)ながらのヤマベ(ヤマメ)釣り。


蛇行する渓流と渓流沿いにあるフキの林を見ながら、たくさんのヤマメを釣ることができました!


事務所に戻って天ぷらにしてもらい、とても美味しく頂きました!



まだまだ書ききれないことがたくさんあります。詳細は、野外シンポジウムのページをご覧ください!!
http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/~yagai/bosyu/2013/

過去にどんなことをやってきたか、写真つきでこちらのページから見ることもできます。
http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/~yagai/Yagai_Common/PastPage.html


北大大学院に興味を持って来て下さる学生さんもいます。が、野外シンポは年に一度だけ。この機会を逃したけど、北大研究林を見てみたいなあ~、大学院に進学してみたいな~、と思っている方は、冬の北海道もご案内しますので、是非、ご連絡ください!