学術研究員の風張です。「森林フィールド講座・北海道編」、コロナ禍で2年延期になっていましたが、9月19~22日に北海道大学雨龍研究林でようやく実施されました。新型コロナウイルス対策のため、例年の半分以下の参加者を募集しましたが40名以上の応募があり、最終的には10名の学生さんが参加してくれました。3年ぶりの森林フィールド講座の様子をご覧ください。
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1日目:9月19日
13時に名寄駅に集合し、研究林のバスで雨龍研究林の母子里庁舎へ。そして、雨龍研究林とフィールドワークの初歩的なガイダンスを受けて、いざ森林散策へ!この日は台風の影響であいにくの雨でしたが、道北の針広混交林の代表的な樹種の見分け方などを学びました。
2日目:9月20日
午前中は、小林先生による「常緑針葉樹の生き様を学ぼう!」。
葉の寿命に着目して針葉樹の生き方の戦略を、仮説検証型研究を体験しながら学びます。どんな環境条件が葉の寿命を左右するのか仮説を立て、環境条件から葉の寿命が長い・短いと予測したトドマツを選んで実際の葉年齢を数えて、自分たちの仮説が支持されるかどうかを確かめました。結果発表では、仮説が支持された班もそうでない班も議論が盛り上がりました。
サンプリングした葉の年齢を数えているところ昼食後は、吉田先生の「さまざまな稚樹を探そう!」。
雨龍研究林には、樹齢200~300年のミズナラの純林が点在しています。下生えのササが森林更新を妨げるため、老齢の木ばかりなのだそうです。そこで、研究林では木材としても価値の高いミズナラの林を維持するために、さまざまな研究を行っています。このプログラムではそのひとつ、ササを刈り取った後に地面を掻き起こすことで更新を手助けする研究を体験しました。様々な樹種の稚樹を覚えて、実際の試験区でササ刈りの条件による稚樹の生育の違いを調べました。ミズナラの繁殖戦略についての解説に、彼らの生涯の長さに思いを馳せ、ついロマンを感じてしまった受講生もいるのではないでしょうか?
夕食後に、この日最後のプログラムがありました。揚妻先生による「夜の動物観察」です。
まずは、シカの個体群の動態や人との関係などのレクチャーを受けた後、ライトと双眼鏡を使ってエゾシカを探すライトセンサスを体験しました。何頭ものシカを見つけることができ、受講生たちはそのたびに大喜びでした。その後、バットディテクター(超音波検知器)を片手に夜の森を歩きました。飛び回るコウモリの出す超音波もしっかり聞くことができました。
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