2014年10月17日金曜日

敗者復活戦@西駒

長田です。先月に信州大学のアルプス登山学演習に参加させていただきましたが、悪天候で調査地を見学できなかったため、来年以降の実習についての相談も兼ねて10月10日〜11日に西駒演習林を再訪しました。


前回と同じくスタート地点は信州大学の桂小場学生宿舎です。先月宿泊したばかりなのですが、もうすでに懐かしい感じです。ここからまた登っていきます。小林先生に案内していただき、途中までは筑波大学の清野先生と学生さんともご一緒させていただきました。

なつかしの桂小場学生宿舎

途中の望学台という場所で、伊那の町や信州大学農学部を望むことができます。前回とはうって変わっていい天気で、景色がはっきりと見えます。

望学台から伊那の町を望みます

シラベ小屋を超えてから信州大の調査プロットのあるルートを登っていきます。前回の実習では登山道を通ったのですが、それに比べるとかなりの急斜面がえんえんと続きます。ここでは小林先生が標高 2000 m, 2200 m, 2400 m の地点に調査プロットをつくって植生の継続調査をされているそうです。このあたりは60年ほど前に人の手の入った二次林で、いずれのプロットにもシラビソとオオシラビソが優占しています。標高が高くなるにつれて樹高が低くなるだけでなく、森林構造や新規加入個体の量も違っており、標高の影響が顕著であるとのことです。

標高2000 m のプロット。樹高が高く、ほとんど新規加入個体がないそうです
標高2000 mの実生調査区。沢山マーキングされています
標高2400 m付近です。樹高が低くなり、新規加入個体が増えるそうです

さらに登って行くと温暖化試験区があります。ここでは実験的に温度を上昇させるために、オープントップチャンバー(一定の区画を透明なポリカーボネート樹脂製の透明な波板で囲って温度を上げる方法)が用いられています。冬の積雪で壊されるのを避けるために、前日にこの波板が回収されたそうで、私たちが訪れた時には骨組みだけになっていました。ここで植物の成長量、フェノロジー、土壌呼吸量、土壌動物の量などさまざまなことが、筑波大学と信州大学、東京大学等の研究室によって調べられているそうです。

この骨組みの周りに透明な板をつけて中を温めます。まわりにもたくさんあります
温度計の回収および設置の作業中の小林先生と筑波大の学生さんです

その後少し登ると一気に視界がひらけます。紅葉が綺麗ですね。この景色を登山学演習の学生さんたちに見せてあげたかったです。

山の下には紅葉が見えますが、上ではダケカンバやナナカマドなどがほぼ完全に落葉していました
空気が澄んでいて景色がすばらしかったです

前回もお世話になった西駒山荘は、私たちが訪れた直後の10月13日で今年の営業を終了したそうです。ありがとうございました&また来年!

とにかくきれいな西駒山荘。おすすめです

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