2017年9月12日から15日まで、檜山研究林を拠点に「川の動物生態学」を実施しました。講師は、サケ科魚類の研究の第一線をリードする森田健太郎先生(北海道区水産研究所主任研究員)です。「河川フィールドワークを徹底的に体験する」のコンセプトのもと、道南を流れる3つの清流、天の川・厚沢部川・戸切地川にて投網や電気ショッカーによる採捕調査、潜水による観察調査を行いました。参加者は7名、スタッフは5名の計12名での実施です。
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初日、電気ショッカーによる調査の後、森田さんが魚種判定のポイントを解説してくれました |
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捕獲した魚は種同定の後、体長を測り、成熟状況を記録します |
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森田さんの投網調査。見事に網が広がっています |
2日目、砂防ダムの上下で採捕調査を行い、砂防ダムがサケ科魚類の分布に与える影響について学びました。ダム上は外来種のニジマスが独占していますが(写真)、ダム下にはヤマメ、アメマスなど在来種が多くいました。生活史の違いによって生まれる種組成の違いを目の当たりにしました。
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外来種のニジマス |
午後は、大きな砂防ダムの下にある深みに潜り、ウエットスーツによる潜水調査の基礎を学びました。
3日目、厚沢部川の支流にて潜水調査の実践です。 透明度の高いこの支流ではヤマメ、イワナ、ウグイをじっくりと観察できます。水温は13度と低いのですが、参加者は感動のあまり寒さを忘れて長時間潜りました。いくつもの淵に繰り返し潜ることで、それぞれの魚種がどこにいるのか、どのように餌をとるのかなどの行動パターンを見出します。
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魚を驚かさないよう下流側から静かに近づきます |
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参加者がタモ網で降海型のアメマスを捕まえました |
最終日は戸切地川の渓谷を500m潜水しながら流れ下りました。
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川くだりの途中、滝に打たれてみました |
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参加者、スタッフ全員で記念撮影 |
あっという間の3泊4日でした。参加学生だけでなくスタッフもまた魚類調査手法を大いに勉強することができました。そしてなによりも道南の清流とそこに息づく魚たちの姿に感動させてもらいました。現場での指導のみならず、ウェットスーツやシュノーケルなど装備のご用意までしていただき、随一のフィールドワークを体験させてくださった森田さんに参加者・スタッフ一同、心から感謝です。
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