今年度の森林研究・フィールドトレーニング「川の動物生態学」は、檜山研究林を拠点に9月14日~17日に上ノ国町の河川で実施する予定でしたが、9月6日に発生した胆振東部地震による混乱を避けるため、苫小牧研究林で実施しました。
京都と札幌から6名の学部生が参加してくれました。
指導には、苫小牧研究林の岸田と北大農学部の荒木教授のほか、5名の大学院生と苫小牧研究林のスタッフがあたりました。
スケジュール
1日目 集合後ガイダンス,環境DNA実習,魚類調査実習
2日目 環境DNA実習,魚類調査実習,ドローン実習,バーベキュー,調査データの分析
3日目 調査データ分析結果の発表,魚類調査実習,熊撃退スプレーの実演
今回のフィールドトレーニングは、主に、水中に存在する生物のDNAを調べるための技術(環境DNA手法)の習得と魚類の生態調査手法の習得を目的として実施しました。
また魚類調査で得られたデータを分析することで、フィールドワークによってなにがわかるのかを実体験してもらいました。
採水時の注意点について荒木さんから説明を受けました |
分析用の水に、人体に付着した他の動物のDNAが入らないよう、人が川に入らないようにして水を汲みます。 |
現場でのろ過。 |
注射器にステリベクスフィルターを取り付け、採った水をろ過します。
フィルターが吸着した物質に水生動物のDNAが含まれているはず・・・。
DNAの分析は後日、荒木さんの研究室で行われます。
川の源流部(水が湧き出している)でも採水しました。 |
技術スタッフが電気ショッカーを用いて魚をしびれさせ、学生が魚をすくいます。 |
捕獲した魚には、サイズ(尾叉長・体重)の計測、胃内容物採取、タグの装着などさまざまな処理を施します。
大規模な野外調査ではチームワークが命。
多岐にわたる処置を、手分けして効率よく進めます。
データは迅速かつ正確に記録しなければなりません。 |
魚の胃内容物には、ハリガネムシも入っていました。 |
なぜかアメマスだけから大量の寄生虫が出てきました。 こういった発見が研究につながるかもしれませんね。 |
魚の捕獲方法は場所によって変わります。 ここでは、定置網を仕掛けました。 |
発表会の様子 |
幸い天気に恵まれ、充実したフィールドワークを行うことが出来ました。
地震後の混乱が続く中、参加してくれた皆さん、本当にありがとうございました。
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