2018年9月10日月曜日

森林研究・フィールドトレーニング「生き物たちのつながり」の生態学 in 南紀熊野 実習報告


和歌山研究林の中村です。

8/27~8/31に、森林研究・フィールドトレーニング「生き物たちのつながり」の生態学 in 南紀熊野の実習を和歌山研究林で実施しました。

直前に台風20号が古座川町に直撃して開催が危ぶまれましたが、北海道、栃木県、東京都、高知県から学部学生が集まり、どうにか開催することができました。このコースは内海先生と私(中村)で担当しました。


8月27日(初日)
現場視察:潮岬のウバメガシワを見てから古座川を上り、河畔にあるコナラとヤナギ、七川ダムのサクラ(ソメイヨシノ)、平井地区のユズを実際に見ながら植物と昆虫の関係に関する研究の説明を受けました。

実際に植物や昆虫を観察して参加者は各自の研究のタネを探しました。


ウバメガシワの海岸林の前で説明を受けています

研究計画の作成:夕食後に、「現在の理解」、「未解決問題」、「新しい研究課題」、「注目すべきプロセス」、「仮説」、「調査方法」という研究計画を作る際の重要なプロセスについて説明を受けました。

その後、各自で研究計画作成に取り掛かりました。
その際に出てきた疑問点はその都度、教員に相談して、どんどん進めていきました。

研究計画を作る際に考えるべき重要なプロセスの説明


8月28日(2日目)
野外予備調査:研究計画作成中に気になった疑問点をもう一度現場で確認するため、午前に現場にもう一度行って予備調査を行いました。

計画修正:午後はその結果を参考にして計画を修正し、夕食後に計画発表会を行いました。
発表することで自分の計画をより明確にすることができ、また質問され返答することで違った視線に気づかされます。
この時点でよく考えることで研究計画の精度が飛躍的に上がります。

学生による研究計画の発表

8月29日(3日目)
本格調査:この日は2グループに分かれて一日中調査を行いました。
平井地区の「ユズ」を調査するグループ、古座川下流域の「ヤナギ・コナラ」を調査するグループです。

コナラ林での調査風景
 
ヤナギ河畔林での調査風景
 
ユズ果樹園での調査風景

8月30日(4日目)
発表準備:採集した枝・葉のサイズや食害を計測、データを入力、それから解析とグラフ作成をしました。
調査前に作成した研究計画はイントロとなります。それに結果と考察を加えて発表スライドが完成します。
しかし、実際はとても大変な作業だったと思います。
たった1日でよくぞ頑張ったと思います。

サンプルの計測、夜遅くまで発表準備を行っていました

夕食はBBQを行いました。
BBQ後に発表準備を再開しました。
かなり遅くまで頑張っていました。


8月31日(最終日)
6:45から研究発表を開始しました。
発表タイトルは
「コナラ林におけるクモの巣の営巣場所決定の要因」
「シカの食害による柚子の葉の被害実態との関係性」
「コナラにおける植食性昆虫間での住み分けについて」
「ユズのトゲの長さの違いについて」
「ヤナギの若葉の伸長を媒介とした植食性昆虫間での競争」
各参加者は、独自性のある研究を発表していました。
細かなところまで指摘や質問があり、充実した議論となりました。

早朝から深夜までかなり厳しいスケジュールでしたが、5日間という短い時間で研究を完成させるという難しいミッションをよくやり遂げました。
大変お疲れ様でした。

研究発表


最後に集合写真。皆さん、また会いましょう!

最後はスッキリした笑顔で集合写真

参考
・内海研究室HP https://sites.google.com/site/evocomecol/
・中村研究室HP https://sites.google.com/site/zhongcunchenghongnohp/home
2016年のブログ
http://frs-kyoten.blogspot.com/2016/10/blog-post_56.html

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