長田です。今回は、8月29日〜9月1日にかけて、苫小牧研究林において行われた森林研究・フィールドトレーニング「林冠の生物多様性と機能」について紹介します。
この
森林研究・フィールドトレーニングは、北海道大学研究林において、少人数で「一歩深く」学ぶための実践的な研究体験プログラムです。昨年度から開始し、今年も5つのテーマでおこなわれています(昨年度の内容については
ここと
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ここを参照してください)。
日浦勉先生と私が担当する「林冠の生物多様性と機能」では、苫小牧研究林の特徴を活かした林冠研究をテーマとしています。とくに、林冠クレーンやジャングルジムを使うことで、森林生産の大部分をにない生物多様性が集中する林冠での研究を体験するという試みで、日本では苫小牧研究林でしか行うことのできない貴重なものです。この実習には、北海道大学と岡山大学から4人の学生さんが参加しました。
8月29日(初日)
午前10時に苫小牧駅(または南千歳駅)に集合した後に、研究林にはどのような設備があり、どんなことが出来るかを考えてもらうために、研究林内を一通り解説してまわりました。ジャングルジム〜シカ柵〜フラックスタワー、窒素施肥区〜日本全国のブナの移植実験サイト〜林冠クレーンとまわり、各自が自分のやってみたいテーマを考えました。
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ジャングルジムを前に日浦先生の説明を聞きます |
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シカ柵についての説明です |
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全国のブナが移植されているサイトでは、実際に葉や枝を手にとって南と北のブナの違いを確認します |
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クレーンの説明を受けます |
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実際にクレーンに乗り、どのような林冠調査ができるかを考えます |
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クレーンからの眺めです。いい天気ですね |
昼食後に日浦先生と私が研究林や研究の考え方について紹介した後、各自が自分のしたい研究テーマを発表しました。学生の皆さんが考えたテーマは、「窒素施肥区でミズナラの落葉が早い理由について」「シカによる摂食が樹木の葉の形質および葉の虫害に与える影響について」「林冠の環境による当年枝形態の変化について」「林冠の構造と昆虫多様性の関係について」の4つです。これらのテーマに基づいて、実習期間中に何をどこまで調べることができるかを確認するために、夕方に再度森林に入って考えました。
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日浦先生による発表を聞きます |
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試しに取ってきた枝葉を見て何が出来るかを考えます |
夜には虫好きの学生さんがライトトラップを仕掛けていました。元気いっぱいでいいですね。
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