2023年10月10日火曜日

信州大学公開森林実習「自然の成り立ちと山の生業」に参加してきました


中川研究林 技術職員 高橋悠河 

202395日から98日に信州大学農学部伊那キャンパス農学部付属アルプス圏フィールド科学教育研究センター(AFC)西駒ステーション、手良沢山ステーションで行われた公開森林実習「自然の成り立ちと山の生業実習」に技術スタッフとして参加しました。

信州大学 農学部 伊那キャンパス 正門

1日目:95

13時集合。信州大学や静岡理工科大学、京都大学から3名の学生が参加しました。
実習ガイダンス後は信州大学演習林の紹介と中部山岳の里山に関する講義でした。
時代が進むにつれ、主要な資源だった木材は、利用が盛んになる一方で、資源量は減少傾向にありました。その後育成林業が発生し、農村地帯で管理されてきたものが里山であるということでした。その後は2日目に使用する地図等の準備を行いました。


「中部山岳の里山」講義の様子

2日目:96

ハイエースに乗り登山道入口へ移動。木曽駒ケ岳、桂小場ルートを標高2000m付近にある大樽小屋まで登山しました。途中、小雨に降られたため合羽に着替えました。沢下りをする場所もあり足元に注意しながらの登山でした。

ハイエースにて移動

薪炭や緑肥として利用するために柴を刈った場所や育成林業としてヒノキが植栽されたものの手入れが行き届かなった場所、登山道の左右で山の持ち主が民有林と国有林で異なり、その利用の歴史が薪炭林と素材生産林とで違うため、下層植生が全く異なる場所など里山利用の痕跡をたどりました。

前日の講義、中部山岳地帯における木材利用の歴史を聞き、実際に利用された痕跡が残る場所へ赴くという実習の流れは、知識と経験を結びつけるという点において非常に有効であると感じました。

手入れが遅れたヒノキ林

薪炭林利用地跡 直径の細い木が多い

←民有林              国有林→

民有林(左):ササに覆われている 薪炭林のため林床が明るい
国有林(右):苔があり稚樹が更新している 常緑針葉樹が優勢しており、林床が暗い

落下注意!


3日目:97

スパイク長靴等の山歩きのための道具を用意し、ハイエースで手良沢山演習林へ移動。
午前中は演習林の人工林の育成に関する講義とチェーンソーの利用方法の講義の後、実際に丸太切りと薪割体験を行いました。
だんだんと腰が入り、パカンッと薪が割れると皆楽しそうでした。


道具を準備している様子

「山の生業」講義の様子


パカッといい音が響きます


薪割木はすごいパワーでした


午後は森林調査でした。
10m×10(斜面のため実際は12m*10)0.01haの区画を造り、その区画の中にある木の胸高直径(地面から1.2)を計測しました。計測した木の数を100倍することで1haの中にどれだけの密度で木が生えているかを知ることができます。

造った区画、傾斜は36°もありとても急です


胸高直径を測っている様子



4日目:9月8日

最終日は前日に計測したデータの解析、アンケートの作成、修了式を行いました。
また、宮本裕美子助教授より菌根菌についての講義があり、時間に余裕があったため、私から中川研究林で行われている研究や業務についてお話させていただき、全日程が終了となりました。

データ解析の様子

一部小雨に振られましたが、おおむね天気は良く、無事実習を終えることができてよかったです。参加人数が少なめでしたが、その分密度の濃い実習を過ごしていただけたのではないでしょうか。

今回ご担当いただきました小林元教授、荒瀬輝夫准教授、宮本裕美子助教授、TAの皆様ありがとうございました。