中川研究林 技術職員 間宮渉
2026年2月18日から2月20日に、山形大学農学部付属やまがたフィールド科学センター上名川演習林にて森林公開実習「雪山実習」が実施されました。今回技術スタッフとして参加させていただいたので、内容についてお知らせします。
<1日目>(2/18)
AM8:50に、山形県鶴岡市内にある山形大学農学部正門にて集合です。
森林公開実習ということで、全国7大学から11名の大学生が参加しました(普段は山形大学の学生さんも合同で実施ですが、今回は日程が合わず、別日での開催となったそうです)。
| 写真1. 山形大学農学部キャンパス |
農学部からバスで1時間ほど内陸へ向かうと、実習地である上名川へと到着します。鶴岡市内はほとんど雪も溶けていましたが、山はまだまだ雪深いです。
上名川演習林の施設まで、5kmほどの道のりは除雪されていないので、徒歩と雪上車での移動になります。荷物は雪上車に乗せてもらい、列になって歩きます。5kmというと長いように聞こえますが、途中、テンやイノシシ、ニホンザルなどの動物の姿を見ることができ、飽きることはありませんでした。天気もこの時期には珍しく穏やかで、早田川(わさだがわ)沿いの林道を歩く、とても良い散策コースです。
| 写真2. 雪上車 |
施設到着後は昼食を取り、プログラム1「冬芽観察」です。”かんじき”や歩くスキーを履いて、いざ演習林の中へ。上名川演習林は753haの広さがあり、約2割のスギ人工林と8割の天然生二次林で構成されています。スギ人工林の中には樹齢120年にもなるものもあり、壮大さに圧倒されます。
| 写真3. 冬芽観察 |
歩きながら樹木の冬芽を観察、採集して、施設に戻ってから図鑑片手にスケッチ&同定を行います。「針葉樹」と「広葉樹」くらいは分かる人が多いと思いますが、芽の付き方や毛の有無、ガクの形状など、細かい部分を観察すると、それぞれ全く違った特徴を見つけることができます。
<2日目>(2/19)
プログラム2は「積雪断面観測」。雪解けも進んでいる時期ですが、なんと外の積雪深は2mほどもあります!ひたすら地面まで掘って(と言っても事前にパワーショベルでほとんど掘ってくれていました)、積雪の断面をキレイにして観察します。各層の雪質や含水率、硬度などを計測し、その層が積もった時やその後にどういった現象が起きていたのかを想像します。
| 写真4. 積雪断面観測 |
午後はプログラム3「冬期伐木造材の見学」です。日本は林業が盛んですが、あえて冬期に実施するメリット・デメリットを解説してもらいつつ、樹齢90年ほどとなるスギの木の伐倒を見学しました。樹高30m近くあるスギの伐倒の迫力は凄まじいです。
<3日目>(2/20)
最後のプログラム4は「冬季野営法の学習」。北極圏に住むイヌイットが狩猟時に作る仮設住居であるイグルーを制作しました。かまくらとは違って、雪のブロックを積み上げて作ります。四苦八苦しながらも、立派なイグルーを作り上げていました。これで雪山で遭難しても生き残れますね!| 写真5. イグルー制作 |
3日間を通して、雪深い山を体験した学生さんはとても楽しそうに生活していました。食事も美味しく、宿泊施設も快適でした。実習内容も、ただ楽しいだけではなく、観察・考察・推論と、研究に必要な技術も盛り込まれており、しっかりと学ぶこともできたのではないでしょうか。個人的には風呂の給湯が薪ボイラーなことにとても感動しました!みなさんも、機会がありましたら是非山形大学上名川演習林を訪れてみてください。
最後になりましたが、ご多忙中実習を計画、実施された菊池先生、上名川演習林技術職員の皆さま、AAの皆さま、大変お世話になりました。お陰様でとても充実した実習であったと感じています。
| 写真6. 薪ボイラー |