2020年12月3日木曜日

森林研究・フィールドトレーニング「森林 de GIS」

森林研究・フィールドトレーニング「森林 de GIS」を、天塩研究林において8月17‐21日、および11月9-13日に行いました。函館、横浜、京都から3名の学生・大学院生の応募がありましたが、新型コロナの感染対策のために、期日を分けた開催、オンラインでの部分受講などを組み合わせて実施しました。指導は天塩研究林の高木・早柏・田中が行い、動物の痕跡調査は同林の森林技能職員にサポートしてもらいました。

スケジュール(8月17‐21日)
1日目 昼集合/ガイダンス/ドローンによる森林計測
2日目 GIS解析
3日目 林内一円動物痕跡調査
4日目 データ解析・まとめ
5日目 研究発表会/昼解散


1日目午後はドローンを使って、森林の計測を行いました。
写真中央にドローンが飛んでいます。
ドローンの操縦を体験し、森林の三次元構造を計測しました。

2日目は、前日に撮影を行ったドローン写真の解析を行いました。
ソーシャルディスタンスを気にしながら、パソコンのリモートアクセスやネット会議システムを駆使して、
遠隔地間の高付加解析作業を行いました。

3日目は林道を一日中車で周り、動物の痕跡を見つける調査を行いました。エゾシカやキタキツネ、エゾライチョウ、アカゲラ、キジバト等のいろいろな動物やクマの食痕など目撃し位置情報を取得しました。
林道に出てきたエゾシカ

3日目夕方から、発表会直前まで室内でGIS解析作業と発表の準備です。
これまでの実習で得られた痕跡データを含めて、生育環境との関係解析を行いました。

最終目の午前中に成果発表会をおこないました。2日間の解析・とりまとめ作業でしたが、エゾライチョウが比較的高標高で発見されることや、伐採地で失われた森林資源量の推定値を発表してくれました。

赤い点が動物(とその痕跡)を発見した地点です。

青色部分が伐採によって森林が消失したところです。

オンラインで参加した学生さんは知床で撮影されたドローンデータを用いて、森林の資源量変化を推定し発表してくれました。


11月9-13日の実習に参加した学生さんは、実習期間中ドローンの操縦訓練と天塩研究林全域における過去10年間の地すべり地の抽出を行い、最終日に成果を発表してくれました。ドローン撮影は雪がうっすらと積もる中行いました。
ドローンで大規模崩壊地の地形情報を取得しました。

色がついているところは過去10年間で地すべりが起きた可能性がある場所です。
10年スパンの2時期の地表面標高の差から推定しました。


皆さん、短期間で企画者の想定以上の解析結果を発表してくれました。コロナ禍で大変な中、実習に参加していただいてありがとうございました。

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