2013年10月5日土曜日

ヤマネ実習 @ 筑波大学八ヶ岳・川上演習林

こんにちは。苫小牧研究林の佐伯です。 突然ですが、この動物、何だかわかりますか?

そう、この動物は、ヤ・マ・ネ です!!! 
(じゃーん!!! <=効果音)

この目で見つめられたら、とろけちゃいそうですね! 今回は、公開森林実習の一環で行われた筑波大学の「ヤマネ実習」の様子をご紹介します。
長野県にある筑波大学八ヶ岳・川上演習林施設です。ここで、2013827日~30日の4日間、ヤマネを題材とした公開森林実習が行われました。
野辺山駅から歩いて20分のところにあります。

講義室や事務室のある建物です。とても使いやすかったです。


公開森林実習というのは、全国の農学部の学生さんが、他大学の演習林が主催する実習を大学の枠を超えて受講できる制度です。http://www.fsc.miyazaki-u.ac.jp/foe/ 今回参加してくれた8名の学生さんも、北は北海道から南は沖縄まで、様々な地域から集まってくれました。所属の異なる学生さんたちが一緒に勉強できるのも、公開森林実習の醍醐味ですね。
オリエンテーションの様子。



実習ではまず、ヤマネの巣箱調査を行いました。これは、演習林内の至るところにしかけられた巣箱を開けて、ヤマネがいないかチェックしていくというものです。一人ずつ順に巣箱を開けていくのですが、「ヤマネが入っているかも・・・」と思うと、かなりドキドキします。
実習で使われているこの巣箱は、ヤマネの研究用に筑波大演習林が開発したものだそうです。演習林内にはいたるところにこの巣箱がかけられていました。ヤマネの一大実験フィールドといった感じです。
巣箱を開ける学生さん。
 
あ、なにか入ってる!!!   (じゃーん! <=効果音)
 なんとこの巣箱にはヒメネズミが入っていました!
ヒメネズミは、いくつかの巣箱に入っていたのですが、
生まれたばかりの子供たちとお母さんネズミが入っているものもありました。
そしてついに、じゃーん!!! (<=効果音さらに大) 
ヤマネがトラップの中にいました! 日中のヤマネは比較的おとなしく、観察に適しているのだそうです。学生さんたちも、とてもうれしそうでした。
巣箱にいたヤマネ。背中に黒い線が入っているのが特徴です。

トラップに入っていたヤマネを1日だけお借りして、実験室で体重や体温などを測定しました。また、追跡用の発信機をとりつけました。 
脱走防止のため、カヤの中に入って作業を行います。

おやすみ状態のヤマネちゃんです。(かわいい・・・) 
朝は比較的静かな状態が多く、発信機をつけるのに適しているそうです。


発信機をつけたヤマネを巣箱に入れて森にかえします。

さて次は、発信機をつけたヤマネが追跡できるよう、ラジオトラッキングの練習です。2つのチームに分かれ、どちらかのチームが隠した発信機を、もう一方のチームがトラッキングで探すというゲームをしました。すぐに見つけられるチーム、そうでないチーム、様々あって面白かったです。


相手チームの隠した発信機を探しに行く学生さんたち。

最後に、放獣したヤマネの巣箱を訪ねて、ラジオトラッキングで追跡しました。巣箱の近くで発信音がなるものの、巣箱にはいないようです。みなで、ラジオトラッキングの音を頼りに、どこにヤマネがいるのか、探索を行いました。実際、姿を見ることはできませんでしたが、巣箱近くの樹上にいることが確認できました。


巣箱近くの樹上にアンテナを向けると、ピピッピピッという発信音が大きくなりました。
実習全体の雰囲気はアットホームで、わたし自身、参加していてとても楽しかったです。美しい亜高山帯の森林の中、ヤマネの巣箱をドキドキしながら調査したこと、実験室で間近に観察し、行動追跡の技術を学べたことは、この実習ならではの貴重な体験でした。筑波大演習林のみなさま、大変お世話になり、どうもありがとうございました!

樹上にしかけられた巣箱を回収する風景。
専用の装置を使って上げ下げできるようになっています。これも筑波大演習林オリジナルだそうです。


カラマツ林。




追記:(2014年6月2日)
このヤマネ実習、現在、公開森林実習として募集が始まっています!締切は7/15!!ぜひ、参加してみてください!!

公開森林実習 (全国演習林協議会HP)
http://www.fsc.miyazaki-u.ac.jp/foe/





参考URL
※筑波大演習林のブログでもヤマネ実習について紹介されています!

筑波大学八ヶ岳・川上演習林HP


  
北海道大学FSC森林圏ステーション教育関係共同利用拠点HP
※筑波大学演習林は、教育共同利用拠点事業の連携校としてご協力いただいています。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿