〇森の足元でうごめくモノたち
「♪ ミミズだーって、ヤスデだーって・・・♪」 そう、みんな生きているんです。友達なんです。
不肖なわたしはついつい、このことを忘れてしまうのですが、土壌生態系について研究されている小林真(こばやしまこと)さんとお話ししていると、土壌動物の世界の奥深さに、しばしば驚かされてしまいます。このセッションでは、足元の土壌の様子、そしてそこでうごめく生き物たちの様子を学びました。
冒頭のポスター説明の様子です。 左のオレンジの服を着た方が、セッションを担当された小林さんです。 今秋より、中川研究林に来てくださることになりました。 (撮影:太田民久さん) |
実際に土をほってミミズを探します。 植物の根がはっているので、森の土を掘るのってなかなか難しいんですよね。 実際にミミズが出てくると、「あ、いた!」という声があがりました。 |
採集した土壌を水の中でふるいにかけ、団粒構造の様子を観察します。 ゆーらゆーら揺らしていると、だんだん、土の構造が見えてくるんですよ。 (撮影:太田民久さん) |
このブログで再三、おもしろい記事を書いてくださっている片山歩美(かたやまあゆみ)さん。いつも明るく周りを盛り上げてくれる彼女は、みんなの人気者です。でもそれは、彼女のほんの一面にしかすぎません。彼女は、「森林の炭素循環」を専門とする、バリバリの研究者なんです!
樹木は葉や幹や枝で呼吸をし、また葉の光合成を通じて二酸化炭素を吸収して酸素を大気中に放出しています。片山さんのセッションでは、この基本的かつ重要な仕組みを調べるための調査を体験しました。
片山さん(手前、青とピンクのジャケットの方)が、ご自身でつくられたという測定機械を 幹にあてて、幹の呼吸速度を測定します。いろいろな大きさの樹木を測って、 呼吸速度の違いがないか調べてみました。(撮影:太田民久さん) |
〇樹木の形はどうして決まる?
このセッションでは、ジャングルジムという、樹冠観測用のタワーにのぼって、アカガシの梢(こずえ)の様子を観察しました。一見、同じように見える樹木の枝葉ですが、よく見ると、樹木のどの場所についているかで形が変化しているんですね。ジャングルジムに登って、実際に枝や葉を採集し、室内で特徴を計測してその違いを学びました。
ジャングルジムにのぼっていく学生さんたち。 |
室内での作業の様子です。実際に葉をもちかえって、担当の長田典之さん(苫小牧研究林)から、 葉の大きさや枝の計測の仕方を学びます。 長田さんは、ジャングルジムなどを使って、樹木の葉や枝の形態を明らかにするご研究をされています。 |
あ、妖精さん?! (ジャングルジムにときどき出てきてくれるらしいです!) |
〇光でみる葉っぱの健康
さてさて、野外シンポジウム、ほんとに盛りだくさんで楽しいですね。最後にご紹介するのは、中路達郎(なかじたつろう)さんのセッションです。中路さんは、リモートセンシングという光学技術を使って葉の様々な形質を測定する研究をされています。セッションでは、実際にヒサカキの葉を使って、厚さや色、葉緑素の量などを測定し、環境の違いが植物の葉の性質にどのような影響を与えるかについて考えました。
異なる環境で育ったヒサカキのシュート(枝と葉)をならべて、次々と形質をはかっていきます。 |
はかったデータを白板に書き出していきます。 むむっ。なにか傾向はあるかな? |
セッションの行われた展望台からの風景です。 澄み切った青空と、美しい風景に囲まれて森のことを考える - 野外シンポの醍醐味ここにあり、といった感じですね。 |
このあと、恒例のアンビシャスセッションが行われ、参加学生さんたちのとっても「アンビシャス」な研究計画が発表されました。懇親会も盛り上がり、スタッフ、学生の垣根を越えて交流の輪が広がりました。
みなさん、新学期に入ってそれぞれの生活に戻られていると思います。野外シンポでの体験が参加してくださった学生さんたちの心に長く残ってくれたらうれしいです。またどこかでお会いできるのを楽しみにしています!
どんぐりポーズで記念写真。 (もちろん、ジャングルジムで観察したアカガシのどんぐりですね!) |
参考URL
和歌山研究林の野外シンポ報告ウェブサイト
http://www.za.ztv.ne.jp/hokudai/yagaisymposium/2013.html
※こちらもぜひご覧ください。 きれいな写真がたくさんのっています!
北大研究林野外シンポジウムHP
http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/~yagai/bosyu/2013/
教育拠点事業 教員紹介HP
http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/~kyoten/member.html
※各教員の専門、研究室紹介などへのリンクがはられています。
0 件のコメント:
コメントを投稿