長田です。今回は一風変わった研究林の利用例として、藏田愛子さん(東大)の研究についてご紹介をさせていただきます。藏田さんは、博士課程の研究テーマとして、明治大正期の「画工」による植物画制作に関する研究を行っているそうです。その方が、先日苫小牧研究林を来訪されました。なぜ苫小牧研究林なのでしょうか?
苫小牧研究林では毎月最終金曜日に森林資料館と森林記念館の一般公開がおこなわれています。
森林資料館です。中には動植物の標本がたくさんあります |
森林記念館です。もともと標本貯蔵室だったものを整理し、内部を公開しています |
森林記念館の裏側です。表側とは雰囲気が違いますね |
森林記念館の裏側半分は登録有形文化財に指定されています。1935年建築だそうです |
このたび長らく行方不明になっていた植物画家須崎忠助の植物原画が多数見つかり、苫小牧研究林の森林資料館において原画展がおこなわれました。
森林資料館における原画展の様子。大勢の方が訪れています |
詳細については以下の新聞記事をご覧ください。
須崎忠助は「北海道主要樹木図譜」の植物画を担当するなど有名な植物画家です。今回発見された原画は、この北海道主要樹木図譜のために標本採集や作画制作していた頃のものと考えられています。もともと原画は出版社に保管されていたものの、関東大震災の時に消失してしまったため、発見された直筆原画は大変貴重なものだそうです。
作品と作者の紹介。原画の中には裏面に短歌の書かれていたものもあったそうです |
藏田さんはこの記事に興味を持ち、須崎忠助の画工としての経歴や、当時の植物画との関連について美術史的な考察を行いたいとのことです。日浦林長と職員の杉山さんに今回の発見の経緯についての取材していました。
皆さん熱心に見入っています。ちなみに額縁は研究林の職員の方の手作りです |
詳細はいずれ藏田さんから発表されることでしょう。
なお、この原画展は4月と5月の一般公開日に開催されたのですが、4月には300人以上の方、5月にはさらに増えて400人以上の方が見学されたとのことです。今後の公開については未定ですが、興味のある方は苫小牧研究林までご連絡下さい。
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