2013年11月5日火曜日

野外シンポジウム@和歌山研究林 前編

みなさん、こんにちは。佐伯です。

今回は、9月23日~27日に和歌山研究林で行われた「野外シンポジウム ~森をしらべる~ 南紀―古座川(和歌山研究林)編」の様子をご紹介します。和歌山研究林、ブログ初登場です! 森も、川も、人々も、とにかく素敵な和歌山研究林。その魅力を、参加学生さんたちとたっぷり堪能してきました。記事を書いていたら、なんだか内容盛りだくさんになってしまったので、前編、後編の2回に分けてレポートします。



和歌山研究林の庁舎です。文化財にも登録されています。

野外シンポジウムとは、北大研究林が毎年開催している、学生さん向けのフィールド研究体験イベントです。今年は、天塩・中川(http://frs-kyoten.blogspot.jp/2013/09/blog-post.html)に続き、和歌山でも開催されることになりました。全国各地の大学から11名の学生さんが来てくださり、4泊5日の日程で様々なセッションを体験していただきました。


〇森林軌道にのって・・・
和歌山研究林はとても傾斜の急なところにあります。常緑広葉樹林と人工林が主体ですが、森の中を徒歩で行き来するのはとても大変です。そこで、研究林内には森林軌道というモノレール風の乗り物が設置されており、急な斜面をのぼったりおりたりできるようになっています。わたしも乗せていただきましたが、これは楽しい! 森林軌道から見える木々の風景は、足で歩くのとはまた違ってとても新鮮でした。


森林軌道。


〇コウモリたちの宴
夜には、和歌山大学の福井大先生に担当いただき、バットディテクターという機械をつかってコウモリの超音波をききとりました。「ピピポパポ・・・」 すごい! 宇宙人と交信しているみたい!! (ちなみにこれは、キクガシラコウモリの超音波をひろった音です。) セッションの後半には、福井先生がつかまえてくださったユビナガコウモリをみなで観察しました。野生の生きたコウモリを間近で見られるなんてそうありません。学生さんからは、とぎれることなく質問が出ていました。


ユビナガコウモリです。かわいい・・・。
(って、動物が出てくるたびに書いているような気がしますが、ほんとにかわいかったです。)

〇カルシウム足りてますか?
みなさん、カルシウム足りてますか? イライラしたとき、カルシウムとるといいっていいますよね(※) このカルシウムをとても必要とする生物がいます。それは、エビやカニといった甲殻類です。この殻をつくるのに、カルシウム、足りてないとダメなんです!
 カルシウムは、自然界では、土壌や水に溶けて存在しています。その濃度は土地によって様々なのですが、和歌山研究林は、カルシウムのとても少ない土地柄なのだそうです。でも不思議なことに(?)、スギが生えていると、地面に堆積した落ち葉中のカルシウム濃度が高くなり、エビやカニの数が各段に多くなります。この興味深い現象を研究されている苫小牧研究林の太田民久さん(博士課程3年)と一緒に、みんなでエビやカニを探す調査を行いました。


採集した石や落葉を仕分けながら、エビやカニ、ヒメフナムシなどを探します。ヒメフナムシは、やはりカルシウムを多く必要とする土壌性甲殻類です。セッションでは、川と陸、双方で探査を行い、
森林タイプと個体数との関係を考察しました。

あ、サワガニがいました! 赤ちゃんもいますよ!!! カルシウム、足りてるようですね。
(※:記事を書いたあとに教えていただいたのですが、イライラとカルシウムの関係には諸説あるそうです。)

〇哺乳類の痕跡調査
3班に分かれて、野生動物の痕跡を探しにいきました。班ごとに、それぞれタイプの異なる森林に出かけ、どんな場所に動物たちが暮らしているのか考えるのが目的です。現地では、シカの糞塊を探したり、自動撮影カメラにうつっていた動物を確認したりしました。普段はなかなか目にすることのできない動物たち。こうした調査を通じて、その様子を知ることができるのですね。


自動撮影カメラでとらえたシカの映像です。

セッションを担当された揚妻直樹(あげつまなおき)和歌山研究林長です。
揚妻林長は長年、シカ、サルをはじめとして多くの野生動物の生態を調査されてきました。夜のポスターセッションでは、和歌山研究林でみられる野生動物のハビタット調査の結果をご紹介くださり、
学生さんと熱いディスカッションが展開されていました。

〇空の上から眺めよう
 
和歌山研究林のある平井集落は、ゆずの生産で知られています。山あいの小さな集落ですが、歩いてみると、ゆず畑のほか、きれいな風景がたくさんあって、とてもここちよいです。このセッションでは、和歌山大学の院生の方々と一緒に、コンピューター上の地図情報を参照しながら、集落内をゆったり散策しました。うーん、いい天気で気持ちよかったです!


平井集落。


タブレット式のコンピューターに入った情報をもとに、集落を散策します。
ちょっとだけ寄り道して、平井集落オリジナルのゆずアイスクリームも食べに行きました。
(あ、書いちゃった!)
 
(後編に続く・・・)


参考URL
和歌山研究林野外シンポジウム報告サイト
http://www.za.ztv.ne.jp/hokudai/yagaisymposium/2013.html
※こちらもぜひご覧ください!

2013年11月2日土曜日

東京家政大 「元素動態を通した環境教育の実践研究」@苫小牧研究林

みなさん こんにちは。 苫小牧研究林の佐伯です。

今日は、先日、苫小牧研究林にて実施された東京家政大学のフィールド実習の様子をご紹介します。東京家政大学は、東京都板橋区にある女子教育を専門とする大学です。

実習では、研究林内を流れる幌内川(ほろないがわ)の源流から河口にかけて、複数の地点で水を採集し、その変化をとらえるという調査を行いました。


まずは、幌内川の源流地点で調査を行いました。とてもよいお天気で、緑もさわやかですね。

川のほとりに並んで、水や泥のサンプルを採集します。


電気伝導度など、水質の特性をはかる機器です。実際にデータが出ると、
目で見ているだけではわからない川の水の特徴がみえてきます。

河床の泥を採集して元素の分析を行います。この機械のお値段はなんと、〇〇万円だそうです!!!

パックテストと呼ばれる検査を行っているところです。
川の水を所定の薬品と反応させて、色の変化をみています。

東京家政大学の新関隆(にいぜきたかし)先生です。同大学の環境教育学科で「情報教育研究室」を運営されています。今回は、研究室に在籍する学生さんたちと実習に来てくださいました。もう何度も、北大研究林を実習で利用してくださっているそうです。ありがとうございます!
測定機器の使い方を実演される新関先生。

幌内川を河口にむかって移動していきます。下の写真は、上流から3地点目のところです。川幅もだいぶ広がってきました。水質の違いはどうでしょうか・・。


林道にバスを止めて、川のほとりにおりたちます。
水質や泥の元素分析など、測定する項目がたくさんあります。みんなで手分けして記録をとっていきます。

次は、研究林庁舎近くの橋のたもとです。ここは、一般の方々も散策ができるようになっており、園地や森林記念館などが整備されています。
橋の上での調査風景。

樹木園でちょっと休憩 ― シラカバに擬態(?!)して記念写真です。
女子大生さんは、やっぱり何をしてもかわいいですね!

 さあ、いよいよ研究林を出て、市街地の川の水質をはかります。
写真は、橋の上から水を採集するプラスチックケースをおろしているところです。
こういった場所では、生活排水なども川に流れこんでいると思われます。
研究林内の上流部とは、見るからに違いがありそうですね。

調査終了後は、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターを訪問しました。
ここでは、ラムサール条約登録湿地であるウトナイ湖の自然が紹介されています。


 
東京家政大学のみなさん、実習お疲れさまでした。よかったらまた研究林に来てくださいね。 参加してくださったのは、学部4年生の方々で、3月に卒業予定だそうです。近く、社会に旅立たれるみなさんの、さらなるご活躍をお祈りしています!


参考URL
東京家政大学 環境教育学科
http://www.tokyo-kasei.ac.jp/kankyo/index.php

苫小牧研究林
http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/~exfor/Toef/hp_j/0_top.html






2013年10月29日火曜日

研究利用 東北大学 山口大輔さん@苫小牧研究林

みなさん、こんにちは。特任助教の佐伯です。

今日は、苫小牧研究林に調査に来てくださった、東北大学博士課程1年の山口大輔(やまぐちだいすけ)さんをご紹介します。



山口大輔さん

山口さんは、ミズナラの葉の光合成速度の季節変化について研究をされています。ミズナラは、北海道に最もたくさん生えている樹木の一つです。そして「光合成」は、樹木にとって、日々成長し、エネルギーを得ていくための大切な営みです。春、夏、秋と、ミズナラの光合成を追い続ける山口さん。今回は、山口さんの主たる研究サイトである、地上25メートルの林冠クレーンの上で、お話をうかがいました。

苫小牧研究林にある、林冠クレーンです。

ゴンドラにのって移動できるので、クレーンのまわりにある樹木の枝先や葉の部分を観察することができます。

******** ではここから、空中散歩をしながらのインタビューをお楽しみください。 ********

佐伯: 今日はお忙しいなか、取材に応じてくださり、どうもありがとうございました。

山口: いえいえ、こちらこそ、苫小牧研究林のみなさんにはいつもお世話になっています。

佐伯: 山口さんは、東北大学のご所属ですが、もう長く、苫小牧研究林を調査地として利用してくださっていますね。このクレーンも、ずっと使ってくださっているのですか?

山口: はい。修士のころからですから、利用しはじめてもうすぐ3年になります。

佐伯: じゃあ、私よりも操作がずっと上手ですね(笑)。あ、この機械はなんですか?

山口: これは、Licor(ライカ)のLI-6400といって、植物の葉の光合成や呼吸をはかる装置です。植物の生理生態を研究している人であれば、よく使う機械ですよ。

「LI-6400」
植物の葉の光合成速度や呼吸速度を測れる機械だそうです。

佐伯: あれ、でもここに、「サザエ」っていうシールが貼ってありますが・・・。

山口: あ、これ、機械の名前なんです。僕の所属している東北大学の彦坂研究室には、このタイプの機械が3台あって、それぞれ、「サザエ」、「カツオ」、「ワカメ」っていう名前がついているんです。

佐伯: ・・・(大爆笑)・・・

山口: この「サザエ」は3つの中では一番、野外でがんばってくれていて、僕はいつもこれを使っています。



「サザエ」には、写真にあるような測定機器がついています。
山口さんは、左手にクレーンのリモコン(黄色)、右手に測定対象のミズナラの葉を持って、
きびきびと測定方法を教えてくださいました。
 
山口: このミズナラが、僕がいつも調査している木です。

ミズナラ

佐伯: うわー、大きくてきれいな木ですね。

山口: 全部で4本調査しているのですが、毎年、同じ個体の同じ場所で光合成を測ることで、年による季節変動によってミズナラの光合成がどのように変化するのか調べています。長期的なデータを蓄積していくことで、樹木の温暖化影響の予測にも役立てたいと考えています。

サザエの先端部には、大きな洗濯バサミのような機械がついていて、
葉をはさんで測定を行います。洗濯バサミではさんだ葉の部分から出る
二酸化炭素の濃度を、赤外線センサーを使って精密に測定することにより、
光合成速度や呼吸速度を計測できるのだそうです。サザエ、すごいぞ!!!

佐伯: この「サザエ」は、こうやって使うんですね。とても複雑そうですが、山口さん、操作がスムーズで、さすがですね。

山口: ありがとうございます。でも、ときどき樹木も機嫌が悪いときがあって、気孔を閉じてしまってうまく測れないときがあるんです。そういうことがあまりないよう、測定するときの時間や気温、天気などには、いつも注意をはらっています。

佐伯: 樹木にも、機嫌の良しあしがあるんですか。(目からうろこ)

山口: はい。僕は、光合成がうまく測れない状態を、「やる気がなくなっちゃった」ということもあります。

佐伯: (笑)。 樹木と気持ちが通じ合えるなんて、なんだか素敵なご研究ですね。

クレーンのゴンドラから、樹冠(じゅかん)の海を見下ろします。
ゴンドラの影がうつっているの、わかりますか?

佐伯: 山口さんにとって、ご自身の研究の面白さは、どんなところにありますか?

山口: 僕は、こうしたクレーンやジャングルジムを使って、樹木の光合成速度や呼吸速度、そのほか、様々な生理学的機能を調査しています。野外で、自然に生育している樹木の生理生態を調査できることが、とても面白いと感じています。光合成に関する研究は、温室の中のポット苗など、人工環境化でコントロールされた個体を対象にしたものが多いのですが、こんなに大きく育った自生のミズナラを調査できるケースはきわめて限られているんですよ。

佐伯: そうなんですか。 しかも、地上からは決してさわることのできない、林冠の葉を対象とされているのですから、データを得る瞬間は、わくわくドキドキですね。

それにしても、今日は本当によいお天気ですね。山口さん、どうもありがとうございました。来年も、苫小牧研究林でお待ちしています!

クレーンで取材をさせていただいた日は、本当によいお天気で、
まるで山口さんを待っていたかのような青空でした。
写真の向こうには、苫小牧のソウル・マウンテン、樽前山が見えます。
山口さんは取材中、何度も、「こんな日は、とても光合成が測りたいです!」とおっしゃっていました(笑)。


山口さんには、苫小牧研究林の研究室のゼミで発表もしていただきました。
とても興味深いご研究で、質疑応答も、大変盛り上がりました。
山口さん、どうもありがとうございました。
 

<参考>
東北大学 植物生態学講座(彦坂幸毅教授)のHP
http://hostgk3.biology.tohoku.ac.jp/hikosaka/
※山口さんが所属されている研究室です。 

苫小牧研究林HP
http://forest.fsc.hokudai.ac.jp/~exfor/Toef/hp_j/0_top.html

 








     
   




2013年10月14日月曜日

森林保全実習

みなさん、こんにちは。片山です。
今回は、9月 16-20日に雨龍研究林で開催された森林保全実習を紹介します。

今回の実習は、これまでとは少し違います。
まず、北大以外の学生でも受講することができる「森林公開実習」です。
そして、テーマは、「自然科学と社会科学の視点から北海道の自然資源管理を読み解く」 。
現在建設中のサンルダムの見学、下川町の視察、研究林内の泥炭地と蛇行渓流の調査の3本立てで、雨龍研究林を飛び出して、近隣の町を視察するというメニューが組み込まれています。
盛りだくさんの実習でしたので、2日目から4日目を主に紹介していきたいと思います。



2日目


まず、サンルダム建設現場の見学からです。
サンルダムは民主党の脱ダム方針を受けて、本体工事が凍結されていましたが、2012年11月に事業継続が決定され、本体工事が再開されました。
現在、ダムとなる森林を伐採しているところです。
1988年に実施計画が着手されて四半世紀が経ちました。ついに、数年後には完成するとのことです。
そのとき、ここはどの様な景色になっているのでしょうか。



中央を流れる川がサンル川です。
川のまわりの伐採が進んでいます。
サンル川は、天塩川の支流である名寄川に合流します。



サンルダム建設事業所の皆さんに丁寧に説明頂きました。

☆サンルダムオフィシャルWebサイト
http://www.as.hkd.mlit.go.jp/sanrudam/index.html


さて、お昼ごはんの時間です。「下川町地域おこし協力隊」の皆さんによるお弁当です。
地域おこし協力隊とは、総務省が展開している地域活性化プロジェクトです。簡単に言うと、地域活性のために働いてもらう人を、各地方自治体が募集し、総務省がその様な活動を支援しているプロジェクトの様です。

下川町の地域おこし協力隊の方が、「地域食堂」を運営されていて、今回は特別にお弁当を作って頂きました。とっても美味しかったです!
食材はもちろん、下川町で取れたものが中心とのことです。



 ☆地域おこし協力隊について
http://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/

☆下川町 地域おこし協力隊
http://blog.livedoor.jp/ichinohashi07/

ごはんの後は、「下川町役場で働いている方に質問をぶつける!」時間です。下川町は政府がすすめている「総合特区」と「環境未来都市」に選定されています。簡単に言うと、下川町は森林を切り口に地域活性化に取り組んでいて、そのための活動費として国からお金をもらって、全国市町村のモデルとなることを期待されています。
下川町では、町の面積の9割を占める森林を活用して、エネルギー自給率100%を目指しているとのことです。それをどの様に実現していくのかなどの質問がありました。
具体的な取り組みについては、この後見学していきます。





☆総合特区:http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/sogotoc/index.html
☆環境未来都市構想:http://futurecity.rro.go.jp/
☆下川町:http://www.town.shimokawa.hokkaido.jp/index.html


場所は変わって、森林組合の木炭・小径木加工工場にやって来ました。ここのキーワードは「ゼロエミッション」です。トドマツの葉を使ってエッセンシャルオイルを作ったり、小径木の材は燻煙処理をしたり木炭などに加工して、付加価値をつけたうえで販売されていました。燻煙処理された材は、後に紹介するコーポラティブハウスの外壁などに利用され、お洒落な外観に一役買っていましたよ。

現在では、エッセンシャルオイル等を作る部門は独立し、「フプの森」という会社として活動されているそうです。社長は北大出身の女性の方で、千歳から下川町に移住されてきたみたいです。

下川町森林組合では、利用だけでなく、持続的な森林経営の証明であるFSC森林認証にも、積極的に取り組んでいらっしゃいました。


トドマツの葉からエッセンシャルオイルを抽出しています。
燻煙処理をしている現場です。



☆下川町森林組合
http://www.shimokawa.jp/shinrin/
☆フプの森
http://fupunomori.net/about-company/


下川町の視察は、NPO法人「森の生活」の麻生代表理事にコーディネートして頂きました。この日は雨龍研究林に戻り、夕飯を食べた後に、麻生さんから「森の生活」の活動などに関するプレゼンをして頂きました。
麻生さんは、実は北大森林科学科出身で、就職先に関することなどの話も聞けて、学生さんたちにとって、非常に興味深いお話だったと思います。そもそもNPOとは何か?というお話も聞けました。

今回、とてもお世話になった麻生さんです。
※学生さんがとても小さくなったのではなくて、
こどもたちへのイベントの時の写真を拝借させて頂きました。
麻生さんのプレゼンにすっかり夢中になって、
写真を撮るのを忘れていたんです・・・。すいません、、



その夜は遅くまで、麻生さんと学生さんたちで語り合ったそうです!


☆NPO法人 森の生活
http://www.forest-life.org/



さて、そんな濃密な夜が明け、3日目の紹介です。
すでに2日目だけでも盛りだくさんですが、まだまだ実習は続きます。

3日目の午前中は、下川町の「クラスター推進部」の方に、市役所などに利用されているバイオマスボイラーとその原料供給施設、さらには、限界集落に近い状況である一の橋に作られた「一の橋バイオビレッジ」の見学です。
下川町では、エネルギー自給率100%を目指して、バイオマスボイラーを積極的に導入しています。その原料となる支障木を集め、木くずにしている施設を見学しました。
この施設の運営は、もともと町で燃料を売っていたお店の方々に任されているとのことでした。

バイオマスボイラーの燃料となる木材チップを作る施設です。
原料の約6割は、建設現場等で出てきた支障木とのことです。
1年間自然乾燥させたものを粉砕して、ボイラー燃料になるとのことでした。


町役場から車でおよそ20分離れたところに一の橋という集落があります。
1989年まではJR「一の橋駅」もあり栄えていたようですが、今では学校も廃校となってしまいました。その様な一の橋地区で、住民が集まって生活できる変わった町営住宅があります。それが、一の橋バイオビレッジ。
バイオマスボイラーを兼ね備えた下川町の材から作られた木造住宅です。
各家とは屋内廊下で繋がっているので、雪の多い日でも安心して行き来できます。
もともと各世帯が離れて暮らしていたところを、この様に集合して暮らすことで、お年寄りでも安心して生活できる環境が作られていました。
ただ、町から離れているために、やはり買い出しなどは大変不便とのこと。(お年寄りは車を持っていない方が多いようです。)教育施設などもこのあたりにはないことなど、やはり、クリアしなければいけない問題点も知ることが出来ました。

それにしても、こんなオシャレで快適な住宅なら、私も住みたい!


一の橋コレクティブハウス。
とってもオシャレです!
外壁には前日に見学した燻煙処理した木材が利用されています。

☆財団法人 下川町ふるさと開発振興公社 クラスター推進部
http://www.shimokawa-zaidan.jp/


さて、ここでお昼ごはんの時間です。
昨日に引き続き、地域食堂の皆さんによる特別ランチです。
今日のメニューは下川町名産のうどん!
うどんに加え、地域食堂自慢の豚の角煮や、カレーなどが準備されていました。
場所は「ガーデニングフォレストフレペ」という下川町の多目的スペース。カラマツがふんだんに使われた素敵な建物です。

下川町のフレペで臨時出張レストラン!
うどんは下川町の特産品です!

地域食堂の皆さんです。
ちょうど、地域食堂の隊長が不在で、写真を撮ることができず残念です。
とっても美味しい料理をありがとうございました!


とっても美味しかったです!!


☆ガーデニングフォレストフレペ
 http://furepe.com/



さて、午後は下川町森林総合産業推進課の方から町の林業の取り組みについて伺いました。
10年程前から、下川町森林組合は経験者を問わずに募集を行うといった画期的な取り組みを行っていたそうです。
いかに林業・林産業を経済的に自立させるか、それはとても難しい問題ですが、下川町では、例えば高性能林業機械の導入、早生樹の試験植林、国有林との共同施業団地の拡大など、様々な取り組みをされていました。
個人的には、「小さい子供が林業を憧れの職業と思ってくれるようにしたい」という言葉が印象的でした。


町有林を案内して頂きました。




さて、4日目です。
今日は1日、雨龍研究林内を見学&調査です。
3日目の夜に、農学部森林科学科の流域砂防学研究室の教員・院生の皆さんが合流されました。

もともと北海道では森林を伐り開いて放牧や畑作が行われてきました。その開拓の歴史でも、特に泥炭地が大きな障壁だったようです。
泥炭地とは、湿地に集まった分解が不完全な植物遺体の堆積物です。フカフカで水分がおても多く、長靴なしでは歩けません。
この様な泥炭地は、北海道にはたくさん広がっていたのですが、開墾により、今では泥炭地の分布は限られています。
雨龍研究林には泥炭地が広がり、そこを流れる泥川は、開拓以前の北海道の典型的な風景だったようです。




雨龍研究林長の吉田先生に、森林の説明をして頂きました。

泥川の流量調査です。

農学部森林科学科の丸谷先生。
「abandoned channel」について説明されています。

寒いのに川に入ってまで調査をするという熱心な学生さんたち。

なぜ、泥炭地では川は蛇行するのでしょうか?
という疑問を解説される笠井先生(とそれを手伝う院生と見守る丸谷先生)です。


☆北大流域砂防学研究室
http://www.agr.hokudai.ac.jp/formac/sabo/


最終日には、学生の皆さんのプレゼンと泥川調査に関するレポート作成がありました。


最後に下川町についてのプレゼンと、
泥川についてのレポートを作成して実習はおしまいです!



昼も夜も充実した5日間でしたね!





今回は、他大学からの参加者は3人だけでしたが、北大生も他大学の学生さんも、それぞれに刺激を受けたようでした。今後もこの様な、様々な大学の学生さんが交流できる機会を作っていけたら良いなあ、と思います。
その様な場である公開森林実習は、北大以外にも多くの大学で開催されています。ぜひ、参加してみてくださいね!

☆公開森林実習の案内
http://www.fsc.miyazaki-u.ac.jp/foe/