2014年9月4日木曜日

琉球大学 亜熱帯林体験実習 3日目

こんにちは、片山です。さて、実習も3日目となりました。3日目は片山がお送りします!
今日は1日、演習林を出て色んな場所を見学に行きます。



まずは、演習林事務所から車で5分程度の位置にある砂浜。
沖縄の地図を見てみてください。沖縄本島は、海岸沿いに道路が走っていることが多いため、砂浜があまり残されていません。ここは、長さ100m程度、海から道路までの距離が数十mという小さな砂浜です。この小さな砂浜も、生物にとって重要な生息環境となっています。

きれい!!としか言いようがないです。
今日も快晴!!

サンゴがいっぱい!
密談中??!










ここはウミガメの産卵地になっているようです。
この小さな砂浜にもやってくるんですね。
出来るだけ波にさらわれないように、砂浜の端に産卵するようです。
ウミガメの赤ちゃんは、卵から孵ったあと、
夜、光の射す方向に向かって動くとのことです。
道路の方が明るかったりすると、
海に戻れなくなるウミガメもいるとのこと。

 さて、海岸で遊んだ見学した後やってきたのは、環境省 やんばる野生生物保護センター「ウフギー自然館」。ここは、ヤンバルクイナやノグチゲラといった、絶滅が危惧される固有生物の保護増殖事業や調査研究などを行うための拠点施設として、1999年4月にオープンした施設です。



とてもきれいな建物です。

ヤンバルクイナの交通事故(ロードキル)は重大な問題となっています。今、ヤンバルクイナの生息個体数は1000羽程度と推定されています。マングースやネコなどによる捕食や森林伐採等による生息地の減少は、ヤンバルクイナの生存を脅かすものですが、車によるロードキルも、年間20件程度と少なくありません。しかも、年々ロードキル件数は増加傾向にあり、今年は8/7時点で36件と過去最悪のペースで発生しています。

また、ロードキルはヤンバルクイナだけの問題ではなく、ケナガネズミやリュウキュウヤマガメでも発生しています。

皆さん、やんばるに行くときには車の運転には本当に注意してください。
ヤンバルクイナは、本当に突然、猛スピードで道路を渡ります。
そして、ロードキルを発見した場合には、すぐにウフギー自然館に電話をしてください。
助かるヤンバルクイナもたくさんいます。

ウフギー自然館:0980-50-1025


朝方と夕方は要注意です。
観光客が増えることは、地元経済にとっては喜ばしいことですが、
それと同時に、さらにロードキルが増える可能性もあります。
希少生物をどの様に守っていくか、難しい問題です。



様々な動物の声を聴けたり、剥製があったり、
生態を説明するパネルがあったり、充実の内容でした!


ウフギー自然館を見学した後、西海岸から東海岸にバスで移動します。

ちなみに、今回知った沖縄豆知識なのですが、「西」は沖縄では「イリ」と読みます。西表島はイリオモテジマですよね。では、問題。「東」は何と読むのでしょうか?答えは「アガリ」です。太陽が昇る東を「アガリ」、沈む西を「イリ」と読むんですね。へぇ~!!

さて、イリからアガリに移動する際、道路沿いに柵が設置されていました。これは何の柵なのでしょう?

見えにくいですが、ガードレールの下に黒い網のようなものがありますね。

これは、実はマングースの北上防止柵なんです。

沖縄では、明治時代末に、ハブやネズミ退治のため、那覇市周辺でマングース十数頭が放たれました。2003年の調査では沖縄島だけで約3万頭のマングースが生息しているらしいです。外来種であるマングースは、沖縄の希少種である動物たちを捕食してしまいます。特に中南部でマングースは高密度で分布しているのですが、マングースが北上して、やんばるの動物たちの脅威にならないように、SFラインと呼ばれる東西のライン(北部地域の塩屋と福地ダムを結ぶライン)にこの様な柵を設置し、マングースがやんばるエリアに来ないようにしているとのことでした。


さて、向かった場所は「慶佐次(げさし)」。マングローブ林です!




沖縄本島のマングローブは、ヤエヤマヒルギ、オヒルギ、メヒルギの3種。
皆さんがイメージするたこ足のマングローブは、ヤエヤマヒルギです。

マングローブは、河口などの汽水域(海水と川の水が混じりあう場所)に生育する森です。ここ慶佐次では、手前に背の低いヤエヤマヒルギ、奥に背の高いオヒルギが分布しているとのことでした。メヒルギが最も低木のようですが、ここではあまり見られませんでした。



沖縄で見ることのできるマングローブ3種です。
これは、オヒルギの花です。きれいですね!
こちらは、メヒルギの花。
葉の形が似ているので、花や根っこの形で見分けることが出来ます。

みなさん、熱心に何か見ていますね。何をみているのでしょうか?

みんな、コレを見ていたんですね!
シオマネキです。
シオマネキは、オスの片方のハサミが大きくなっているという特徴があります。
右・左、両方いました。
色んな種類のシオマネキを見ることができました!
(実際はこんなに大きくないので、写真に撮ることができませんでした、、)


これはヒルギを表した写真です。
どのヒルギでしょうか?

正解は、たこ足のヤエヤマヒルギです!
分かって頂けましたか・・・??

午後は、国頭(くにがみ)村環境教育センター「やんばる学びの森」に行って来ました。
ここは、1995年までは米軍のサバイバル訓練場であったために、森が伐採されることなく残っている貴重な森林です。ガイドさんに連れられて、学びの森を散策します。

オリエンテーション。
国頭出身の「おじい」はセンター長を務めています。
とっても元気!

これ、何だと思いますか?
ネズミが食べたマツボックリの残りカスです。
沖縄にはリュウキュウマツが生育していて、イタジイのドングリと共に
哺乳類の重要な食糧となっています。


 あ!天然記念物のイシカワガエルがいました!!
どこにいるか分かりますか??!

レベル10


レベル5
よーく見てください!

レベル2
これはもう、皆さん分かったかな??

レベル1
これです、イシカワガエル!
奄美大島と沖縄島にしか生息しない固有種で、絶滅危惧種です。

(ついでに)横にいた巨大ナメクジの赤ちゃんたち。

ノグチゲラの棲んでいた巣とのこと。
ノグチゲラは、まさにやんばるにしか生息しないキツツキの仲間で、
国の特別天然記念物に指定されています。
こちらも絶滅が危惧されているのですが、やんばるの森では何度も見ることができました。
抱卵・子育てともに雌雄一緒に行うみたいで、
一生、そのペアも変わらないみたいです。素晴らしい!

沖縄には大型の肉食哺乳類がいないため、
ヤンバルクイナのような飛ばない鳥が生きてこられたと言われていますが、
ノグチゲラも餌を取るために地上まで降りてくる珍しい鳥です。
夕方、宿舎に戻ってきて、皆さんお疲れのところ、少し時間をもらって私の研究紹介をさせて頂きました。

何の話をしたかは、秘密です。

そして、打ち上げ!
今日は特別に、退職された職員さんが地元の料理を作ってくれました!そして、技術職員さんがマングローブガザミを獲ってきてくれました!!豪勢!!

メニューはイカ汁・シリシリ・ジューシー(混ぜご飯・炊き込みご飯)。
どれもとっても美味しいです!



パイナップルも美味しかった!
沖縄島の北部ではパイナップルの生育に適しているのですが、
南部では育つことが出来ないらしいです。
北部は酸性土壌、南部はアルカリ性土壌だからとのこと。
同じ島でも土壌が違うんですね。


お腹いっぱい胸いっぱいで、3日目の夜が終わってしまいました。
ああ、もう実習も終ってしまう!寂しくて泣いてしまいそう、、涙

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