2014年3月4日火曜日

冬の学校! in 九大北海道演習林 後編

3日目
今日は雌阿寒岳のふもとにある野中温泉からオンネトー(湖)まで、山スキー(のようなもの)を履いて歩きます。ここは雌阿寒岳の噴火から森林が年を取っていく(遷移)段階が観察できる森です。



最初に現れるのはアカエゾマツの純林です。

アカエゾマツは、他の樹種が生育出来ない様な厳しい土壌環境でも生きていくことが出来ます。
火山が噴火した後に生育する、わりと新しい森です。

アカエゾマツが大きく育ってきた森の下の方では、小さなトドマツがたくさん生えています。

トドマツは、背の高いアカエゾマツが倒れて光が降り注ぐその時まで、地面に近い暗い森の中で、じっと時機が来るのを待つことが出来るんです。
同じ針葉樹といっても、全然性格が違うんですね。






ちなみに、これが森の下の方でアカエゾマツが死ぬのを待っているトドマツの子供です。
葉が幹に対して垂直に出ているのが分かります。
がんばって、少しでも多くの光を得ようと頑張っています。
小さく見えても、20歳くらいだったりします。
見かけによりませんね!


オンネトーに出ました!冬の間は雪に埋もれてしまいます。
皆さんが立っているその下に湖があります。
このあたりまで来ると、アカエゾマツだけの森から、トドマツやダケカンバなどが混じった混合林になります。
森が古くなっているんですね。
この写真が、夏のオンネトーです。青くて神秘的。とっても綺麗ですね!



オンネトー湖上で記念撮影!晴れていたら奥の方に雌阿寒岳が見えるはずなのですが、この日は天気が良くなくて見えませんでした・・・。残念!!

お弁当の時間です。実は、野中温泉で飼われている「チロル(通称:チロ)」が、ずっと私たちについてきていました!
そのチロのお目当てはもちろんおにぎり!
田代先生の前からじっと動かず、良い子のフリをして、おすそ分けがもらえるのをじっと待っています。
でも、結局、田代さんは、おにぎりをみつめるチロの視線には全く動じず、おにぎりはもらえません。 



そして、ターゲットを変えて学生にねだるチロ。
この後、無事におにぎりひとつ食べることが出来たみたいです。
良かったね、チロ!

次は雪崩遭難実習です。
まずはビーコン(電波発信機と受信機。雪崩で雪に埋まった人を探すときに使う)を実際に使ってみました。



次に、大きな穴を掘って、そこに入って雪をかぶせられ、雪の中に埋もれる体験です。
もちろん、口の周りは空間を確保して、息が出来るようにします。全員、雪の中に埋もれました。
この写真は、手本に内海先生が穴に入って、雪を上からかけられているところです。

これはただの記念写真ではありません!みなさんの下には私が埋まっています!!
どれだけ声を出しても、気づいてくれません。そして、全く動くことが出来ません。
(上に人が乗っているからではなくて、少しでも雪が被さると動けなくなりました。)
呼吸する分の空間は確保しているとはいえ、とても怖かったです。

一度だけ、雪の中に埋まっていく学生さんを助け出そうと(?)、
チロが必死に雪を掘り返していました。笑





ザラメ雪の斜面を必死に登ってみるのですが、なかなか上れません。
それでもなんとか、一歩一歩上がっていきます。

冬山は何をするにも、知識とテクニックが必要です。



帰ってきたらすぐにイグルー作りです。4人3チームに分かれて作ったのですが、チームごとに個性が現れていました。仕上がりをきれいにすることにこだわるチーム、役割分担がはっきりして手際よく作業を進めるチーム、形がとても個性的で大きなイグルーを作るチーム。

どんどんイグルーの壁が高くなっていきます。実習中に、完成できるかな?!

スタッフが手伝うと不公平になるので、スタッフは見ているだけ。というのも暇なので、スタッフで「王様のイス」を作ってみました!一番手前にある、後ろ向きのイス、分かりますか?!笑 


夕飯の後は(くたくたになりながら)もちろん講義です。
明日はオリエンテーリングを行うので、地形図の読み方とコンパスの使い方を内海先生から学びます。
明日、無事に目的地にたどりつけるかな~。


 長くなってしまったので、4日目以降は次の「完結編」で!



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