前回の記事に引き続き、筑波大学公開森林実習「ヤマネ実習」の3・4日目の様子です。3・4日目の報告は齊藤研・院生の山田敏也が担当します。
8月28日(3日目)
朝食前にヤマネに電波発信機を装着しました。
発信機からの電波を受信することで、野外に放したヤマネがどこに行ったのかを把握することが出来る優れもの!
大人たちが寄ってたかって、ヤマネを取り押さえます。 |
首の辺りの毛をカットし、医療用のボンドで発信機を取り付けます。 |
ボンドが固まったら、ヤマネを巣箱へ戻します。 |
朝食後に演習林に向かい、発信機を付けたヤマネたちを巣箱ごと 元居た場所に戻してあげます。 |
管理棟に戻り、電波発信機からの電波を受信する「受信機」の使い方の講習を受けました。
その後、練習のために2班に別れ、片方のチームが発信機を隠し、もう一方チームが受信機を使い、電波を頼りに隠された発信機を探すゲームをしました。
受信機は発信機からの電波を受信すると「ピッピッ」と音が鳴ります。その音の大きさを頼りに発信機を探します。
みんな初めて受信機を使うので、なかなか難しいようでした… |
昼食後、いざ本番!
午前中に放した発信機付きのヤマネを、受信機を使って探します!
受信機の音が大きくなる方向へ向かって歩きます。
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すんなり見つかることもあれば、あんなところへ行ってしまうことも…
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道具を使えばどうにかなるほど人生甘くない!!
公開実習は人生の厳しささえも教えてくれます。
結局、発信機を付けたヤマネたちは巣箱から移動していませんでした。昼間は寝ているようですね。
この日は、ラジオトラッキング(電波発信機で動物の居場所を特定すること)だけでなく、「異なる樹高に設置した巣箱の利用状況」の調査も行いました。
これまで見てきた巣箱はどれも、胸の高さのあたりに設置されていました。 しかし、高さ6〜7 m 位のところにも巣箱が設置されていました! (ちょっと見にくいですが、樹の上の方にグレーの塩ビ管が見えませんか?) |
しかもこの巣箱、よく出来ています。
ワイヤーを引くと降りてくる!はしご要らず!早い・安い・安全!
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高所に設置された巣箱にもヤマネは入っているのでしょうか?
高い場所にもしっかりヤマネがいました!
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実は、高いところに仕掛けた巣箱の方がヤマネの利用率が高いそうです!
今回の調査でも、ヤマネが巣箱を利用している痕跡が多かったのは、高所に設置された巣箱でした。地上の天敵から身を守るためなのでしょうか?
3日目も、ヤマネにたくさん触れ合い癒された、充実の一日でした!
8月29日(4日目)
最終日は、お世話になった宿舎の掃除をした後、学生の皆さんは課題の小論文。
お題は「ヤマネの生息に適した森林とはどのようなものか。どのような森林管理が必要だと考えられるか。ヤマネの森林におる生態的役割・自然史・習性等を踏まえ、
それに基づいたあなたの考えを論ぜよ。」というものでした。
互いに相談しても良いとのことでしたが、みんな相談せずに黙々と小論文を書いていました。実習で経験したことが早くも身についているんですね!若いってすばらしい!
1時間ほどで全員書き終わり、4日間に渡る実習が終わりました。
今回の公開実習を通して、良い経験がたくさん出来ました。
・天然記念物のヤマネに触れ合えたこと。
・北海道と本州の森林のちがいを体感できたこと。
・「ゆとり世代」でひとくくりにすることが出来ない、私と大学生のジェネレーションギャップ。
野辺山は気候もよく、過ごしやすかったです。
興味のある方は、ぜひ来年のヤマネ実習に参加してみてください!ぜひ!
去年(2013年)のヤマネ実習ブログ:http://frs-kyoten.blogspot.jp/2013/10/blog-post.html
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